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パリでの想いで

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先日,パリでは素晴らしいタップダンサーのSarah Petoronioとたくさんの時間を過ごし、
たくさんのことを語り合うことができた。
Sarahがインドで生まれ育ち、NYでタップに出会ったこと、パートナーのJimmy Slydeのこと、
そしてSteve Condos(スティーブコンドス)の最後のパフォーマンスのことが最も印象にのこったのでここに書きたいとおもう。

スティーブは50年代にハリウッドの映画でタップを踊ったことで有名になり、
生涯をタップダンサーとして踊り続けた本物のダンサーです。
彼は71歳にして亡くなったのですが、それがパリのコンサートホールで彼が10分以上に及ぶタップソロのあと楽屋で倒れて亡くなったという話は有名な話として聞いたことがありました。
しかし、その最後の時間、まさにサラがその場所にいてスティーブを腕に抱き、ジミーとともに心臓を押してマッサージをしていた、というリアルな話を聞き、まるでその場所に自分も居合わせたかのように最後のスティーブの姿とその場の光景が目に浮かびました。

ショウのあいだの混乱を避けるため、ショウは最後まで予定通り続き、
その間、スティーブは奥さんとサラの旦那さんのピーターとともに病院へ運ばれ、
ショウの最後にスティーヴが亡くなったことがお客さんに告げられたと言う。
そしてその日のショウはチケットが人気のためソールドアウトしていた追加された公演だったそうです。

スティーブはダンサーのなかのダンサーとして人生の幕をおろした。

そしてサラは今タップのなかで人生を表現し、感情を表現する。
サラのタップのリズムのなかにジミーもスティーブも存在しているように、
人生の経験が映し出されているかのように。

『人生の経験こそが大事なのよ』だからレッスンだけではなく、たくさんのことをパリで見たり、聞いたりしなさいと、僕のフランス滞在中にサラは言ってくれた。

だからおかげでほんとうに良い時間を過ごすことができた。

タップダンサーはみんな知っている。自分の人生を表現することを。
NYのデリックも人生のストーリーを語るんだ、と言っていた。

たくさんのタップダンサーがのこしてくれた、人生のフレーズ、リズム、音、

それは形が無くなっても、

ずっと、ずっとそこに聞くことができる。

さて、毎日を踊り続けよう。


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Steve Condos


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by kazthehoofer77 | 2009-07-21 21:48 | PARIS, GERMANYの風景
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